2018年1月発刊の椅子張り用 新レザーサンプル帳 Furnishing Leather 18-21
新商品開発 リリアンヌ について
子供の頃は、駄菓子屋さんが最高にテンションが上がる場所。 私の時代は、10円、高くて20円のお菓子。 振り返ると、当時は思っている程、ボランティアでなければ出来ない商売ではなく、家の留守がてらに省スペースで切り盛りできる商いだったのかな。 高度成長期とはいえ、寅さんの時代だから、小市民の所得はそれほど高くなかった。
その中でもリリアンは30円。 子供の手に握るサイズの筒の円周に釘が数本差してあって、それに糸を引っ掻けていくと、小型丸編み器の役割をして、筒の中心から編まれた糸が出てくる仕組み。 今でいう、ミサンガみたいなものかな。 手に巻いたり、首に巻いたりして女の子の遊びだった。 私は沢山の姉と妹しか居ない唯一の男でしたから、一緒にいる中で、大方の女の子の遊びは熟知しています。 リリアンも嗜みました。
椅子張りの業界に入り、椅子張り用の糸のむずかしさを知ります。 簡単に言えば、シャツの糸は細いですが、あれの何十倍も太い糸にするには、何本もより合わせて太くしながら、また、撚ることで強度を得ながら作りこみます。 シャツが3000円で、なんで椅子張が3000円なのか不思議ですね、それだけ資材には利益がないのです。 繊維系は多く売るビジネスモデルなので、例え10%の市場がなくなっても、負担は大きく、大手繊維が繊維事業から撤退し、どこも化学会社だと言い張るわけです。 このリリアン糸は、糸を撚って太く強くするのではなく、編んで太く強度を上げるという全く異なる発想です。 傷のリスクも高まるので、リリアン糸を使うと一般的に高価な織物になります。
過去は、レザーでそのニュアンスを試そうとは思いませんでしたが、リリアン糸は綿混が主流で毛織では見かけません。 そこで、ウールっぽさを加味したら、リリアン臭さも消えるし、テキスタイルのコピーにならないと閃いて、企画テーマに挙げたわけです。 素朴に仕上がったので、業務用だけではなく、注文家具でも違和感がない良さが出ています。 シボの谷が光るので、暗めの空間でも存在感がでます。
椅子資材開発30年、日本一の椅子資材を開発する部隊の指揮者が、すわる、ねるの2つの姿勢を通して、商いの目で様々な出来事をつづる、思いあるブログ いすのことなら 椅子の張替えの話題や新規の案件、レザーとは、テキスタイルとは、椅子とは、すわるとは、ねるとは、様々な話題で楽しめます。 あしたは晴れかな曇りかな。
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