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2015年9月30日水曜日

上海蟹と近所の灯台


私の織物工場、縫製工場は、如東という港から20㎞ない海の街です。
近くは港もあって、遠くまで魚介類を取りに行く船群が行き来しています。
たまに潮風にあたってみると、リフレッシュして新しい企画が生まれていきます。
混沌とした現場ばかりでは、何も生まれてきません。
カニは、有名な陽澄湖の上海蟹です。 11月頃からおいしくなります。

2015年9月29日火曜日

大巻で途中検反


商品の品質管理は、工程が長いだけに幾度も途中検反が行われます。
その場合は、工場内を動くので大量の太巻きで行われていきます。
専用台車を使って検査後に次の工程に回されていきます。 椅子張りだけに、とても厚くて重いのです。 それだけ、長く使ってもらえる強度を備えています。

2015年9月28日月曜日

Bursadusブルサダス ジャガードの椅子張りはこういうのが良い



商品名:ブルサダス T-4072
柄物を椅子に使う場合、どんなのでも良いという事ではありません。
柄を作るのは糸ですから、糸を沢山飛ばさなくては色が自由に出せません。
糸を飛ばすという表現は、判りずらいでしょうか。 要するに、横糸で縦糸を抑え込んで、織物を作ります。 縦横交互に抑えれば、無地の典型的な平織になりますが、それに比べて、柄物は、横糸で抑え込む割合を減らして、減らした分、縦糸の色がでるようにしているので、抑えているポイントが平織に比べて落ちるのです。 さらに縦糸を細くして、沢山の色糸を手間をかけて並ばせるので、糸の細さも影響します。
勿論、椅子張り一筋ですから、これらの欠点をカバーしつくした織物を作っています。
一方、同業他社のは柄や色が綺麗だがとても弱い、椅子張りといえるのか?という話がでます。 カーテンを作る人には判らないのがこの強度の計算です。
写真は巻き取りながら検査しているところなので、手前が裏面になります。 裏から見ても、糸が飛んでいませんね。 これが丈夫に作る秘訣といっていいでしょう。 また、柄域、いわゆるリピードです。 どこで切ってもつなぎやすい柄になっているのは、無駄が少ないだけでなく、強い組織をできるだけ多く面に活かすためなのです。 この柄は椅子にはピッタリで、長いこと使えるように作っています。 是非、使ってください。 なるほど、丈夫だねと理解されることでしょう。 

2015年9月25日金曜日

Renz 麻布界隈で人気の柄です

商品名 レンズ L1081-L1083
白、オレンジ、ブラウンの三色です。 

凹凸にみえるのですが、実は、レンズ効果ででっぱたり、ひっこんだりして見える錯覚です。
物は平面ですよ。 プリントを入れ込んで工夫しているので、深みが何倍にもなるように仕上げています。

色々な使い方が出来て、本当にセレブに人気の逸品です。
古い椅子をレトロモダンにするために、大方15年以上前に私が商品化していますが、その時は時代背景が早すぎました。 今回は、防汚機能をつけて、3Dのイメージを強く意識してリデザイン。 今回は、時代にぴったりで、ギフトショーで小物に使われるなどして、人気になっています。 ポイント使いでもいけてる商品です。

2015年9月24日木曜日

Iro no Candy イロノカンデ

 商品名 イロノカンデ L1049-1051
Ag抗菌、耐次亜塩素酸



イロノカンデL-1051黒
この写真の通り、シボとカラーリングがぶつかりあり、深い色味を出すストライプ柄です。
特殊な製法上、1ロット3000mという単位で作っているので、別注色が極めて価値の高いデザインとなります。
ご自分の色を付けるというチェーン店さんであれば、別注色というこだわりをもって打ち合わせしてくれますが、最近は自信を持ったデザイナーさんがこの色をつくってくれ、という依頼がすくなく、ネットでみた物まねという物件が多いのが実態ではないでしょうか。
ぜひ、別注色にチャレンジしていただきたい逸品です。

2015年9月18日金曜日

ストライプの究極

商品名:ポーラ L1132

このレザーの良さは、何と言っても色。 汚れの気にならない、長く使える色が私の中心とする色。
この手の色の方が、椅子にマッチするのも事実です。 知られていませんが、私のラボでは椅子に仕上げて中間評価するので、コンプレッサーやタッカー類が置いてあります。 デザインや企画がデスクで行われていると思ったら大間違いです。 椅子を勉強していないと、デザインできません。 ショールームの椅子数十本は、頻度良く張り替えられていますが、評価するために使ったものです。

ファミレスなどで打ち合わせすると、明るい色を好む傾向がありますが、プロの目からは1年後の汚れはトテモきたないのです。 ですから、プロは新しいファミレスしか行きません。 汚い椅子は、座っていて、おもてなしされていない気がするからです。 気分が悪い。 

色のコーディネーターさんの腕を信じてあげてほしいのです。 例えば、この商品を明るく見せる方法は、座面をより濃い色の無地にすることです。 色の差で明るく見せることくらい、コーディーネーターの方々はやってのけますからね。 一枚のサンプルを見て決めるのではなく、椅子の全体像で決めていただくと、長く使える色になるのです。 やはり、長く清潔でつかるのが一番です。 

2015年9月17日木曜日

東京 スタジオ撮影

商品を作るまでが仕事だった時代が懐かしい。 今は、イメージアップに、スタジオやロケ撮影をするのは珍しくありません。 コストがかかりすぎるので、本音はススマナイのですが、仕方ありません。 私が撮影に踏み切ると、その写真が勝手にネット販売に使われているのですが、それ、コピーライトありますよって言ってもお金を取れません。
また、再販もしていないので、代理店はないのです。 直接、買ってくれれば良いのですよ。 そもそも! 
東京での撮影は、特に、先に多くのロケをして、良い場所を選定しなくてはなりません。
今回は築地から程ないところのスタジオ。 シンプルですが、光が入るので、時間帯を選んで撮影場所を特定していきます。 時間内に終わることが、大変であり、ロケのせわしさのいいところです。

2015年9月16日水曜日

Coloring Desk 色付けの巻


PVCやPUレザーの企画をするとき、本革ライクの要素を入れたいケースがあります。
その時は、もちろん、世界中から集めている最先端の皮革のサンプルを参考にすることもあるのですが、結局、工場サイドのテスト版を作るときには言葉に変換しなくてはなりません。 参考にするというのは、本物そっくりにつくるというテクニックは、実は本物をコピーするほどできないのです。 素材が違うので当然ですけれど。 要素だけを取り出して、その要素を入れてあげることが大事。
例えば、しわ。 個体其々違うのですから、人がみて、違和感のないしわを作りあげるのです。

作るのは工場です。 全く同じのをつくるのではなく、ある1点2点の雰囲気だけのことですから、工場に現物を見せても理解してくれません。
そこで、デフォルメ作業が必要になります。 なめしただけの革に色を重ねながら、イメージを具現化していきます。 艶あり艶消しも、ここで仕上げていきます。 ラッカーも使いますよ。
その後で、社内のスタジオで撮影します。 撮影は、調光した環境下やフラッシュの光で、質感を確認するためだけです。レンズを通してみたものは、判断に客観性を加えてくれるので、無謀に走らないブレーキとなります。

一発で良いものが上がることはありません。 イメージ通りに作品が出来て、それが量産化できるほど簡単ではないのです。 工場の設備や化学品などの特徴を活かしていかないと本当に良い物はできないので、技術の打ち合わせも必要です。

デザインといっても、絵描きではないのです。 美術学校出ているから出来るものでもないし、センスが良いから出来るものでもない。 製造工程を熟知してできる仕事なのです。

2015年9月15日火曜日

プルアップ Pull-Up PVC レザー

商品名: プルアップ L1015

引っ張ると、トップの色がかすれて、ベースの色が協調される本革をPULL-UP プルアップと呼びます。 伸びたところと伸びていないところの色さが良い感じのムラとなって、質感が上がる仕組みです。
  
それをPVCレザーで作りました。 商品名もプルアップと覚えやすくしてあります。 本革のプルアップの欠点は、傷だらけになること。 本革のプルアップだと、使ってもらう人に申し訳ないのですが、PVCでなら安心、大丈夫ですね。 家具を愛するお客さんの所で、本革のプルアップを使ってもらっているのですが、傷が多いという問題で悩まれていました。  じゃあ、PVCで作ってあげるといったのがきっかけ。 作りましたよ~!

実は、元種はあって、今から15年前にこの開発をやってあって、最大手の椅子製造さんへ、良いPVCが出来ました!と 持っていったら、”引っ張って色が変わるのでは、均一にならないからダメっ!”って言われてショックでした。 何度も、毎回違うから味がでるんですよと説明申し上げたのですが、工場という”規格”があるところでは、仕様変更も手間だろうし、クレーム対応も避けたいのでしょうか、結果、本当の味を追求した商品は使えないというのですね。 この傾向はその後も変わりません。 良い物を持ってこいというのは、工業的に同じものという意味が強すぎるのです。

ショールームの展示品を見た人や、それを使用する人は、いいねを連発するのにです。 このギャップが、EU家具の方が良いよねと言われて反論できない要素だと思います。 

2015年9月14日月曜日

Oscar オスカル

商品名:オスカル T1071 &T1072


 PVCレザーですが、レザーらしい布目調として、練りに練ったデザインとなっています。
チェック調に見えるところが、幾分やさしさを齎してくれます。
フェミニンな印象を与えるテーマとそうでないテーマでは最終商品が全く異なります。

一寸だけ椅子でチェックが流行っているのですが、チェックは短命なのが難点。
そこで、チェック調でありながら、無地ライクであり、布目ライクに仕上げています。
出だしは悪いのですが、一度張ってもらうと、良さがわかりリピートが増える晩成型商品ですね。
木とあって、良くなじむので、暗めのLEDのダウンライトを使用するレストランでも良し。 コーヒー屋さんでもとても良いんです。 自信作の一つです。




2015年9月11日金曜日

中国 南通シンコー 箱詰め

南通シンコーの縫製工場
組立ラインもあり、箱入りも風景の一つです。
整理整頓されており、数々のお客様の監査に合格しています。
織物、縫製、組立まで綺麗に答えるため、床が傷つくたびに塗り直しています。

2015年9月10日木曜日

デザインモチーフ


次のデザインモチーフは、ヘルシンキで見かけた壁のタイルです。
このイメージを中心に織物にするのですから、仕上がった時にニュアンスが残っているか、自分でもわからない位、この先は恐ろしい工程です。

何が良いって? 此れくらいの事、コンナの無くてもできるでしょ?

そうではなくて、これを見たときに”閃いた何か”を時間をかけて悩みぬいて、そして練り上げて具現化するので、他のを見ても何の参考にも成らなくて出来ないんです。 閃いた何かの元だからですね。

良さはね、秘密にしたいのですが、白の艶があるのにマットなところですよ。
それを活かすのが、対照的な黒なのではないかと思ったのです。 メインとなる糸は、撚糸したウール混の太い物が表面の4割をきっちり出るようにして、2重織の裏糸で締める構造です。 中国で品質問題を解決するために、多用してきた技ですが、ある人にちょっとヒントを上げたら、それを、ずっと真似する65過ぎのおっさんがいて、俺のアイデアだっていうから、古くからあるテクニックを主軸にリバイバルさせたのは私ですが!?と言ったの言わないの。 世代的に終わりかけで、どっちでも良いのですが。 売ったもの勝ちではありません。

2015年9月9日水曜日

シャロ レザー

商品名 シャロ
他に、ライトブラウンとライトオレンジがあります

葉っぱのデザインモチーフも古くからあるものです。 一つのカテゴリーと言っていいでしょうね。 このケースでは、レザー向けにプリント柄を作成しています。
椅子には葉の柄が良くあうのですが、小さい椅子をターゲットに、柄自体をこじんまりとさせています。 カラオケやファミリーレストランの背に使ってもらうとカジュアルになり、高級な椅子に張るとエレガントになりますよ。
街の椅子にエレガントが少ないのが気になります。 増えてほしいものです。
次亜塩素酸にも強く、アルコールでも硬化しにくい機能性も持っています。 防汚、難燃もついています。

2015年9月8日火曜日

インスピレーション

ベニスの監獄の渡り廊下からの写真。
織物のデザインのインスピレーション様に撮った写真です。今回東京オリンピックのロゴで盗用か話題になりました。 盗用とインスピレーションの差は実際に難しいというのは、グラフィックデザインの業界では素材感や光沢感という質感で違いがでないので鑑定したら、過去数百年に似ているというものが出てくるのは当たり前な気がします。
我々は、糸の素材や種類、太さや厚み、組織の作り方、織物がニットか、タッチ、染色方法を含め、組合せだけで無限に近くあるので、そもそも同じにならないのですが、気を付けないとなりません。
流行りっていうのはどうなんですかね?


武器なようですが、どうやって使うのでしょうか。 完成されたデザインでもないので、武器としても駄作なのでしょうか。

2015年9月7日月曜日

北欧デザイン


ノルウェイでのデザイン勉強 
テーブルクロスのシンプルなデザインを、大きさと色で味つけ
手法は素朴であり、色が北らしくありで、それなりに仕上がるようです。


こちらは、茶碗のデザイン
これを見ると、色だしの凄さが伝わります。
グラデーションであり、シンプルな漫画のようなデフォルメです。
北欧デザインを見て琴線がなる部分は、日本の民芸の琴線がなる部分は同じですね。
今回は民芸風のデザインアップを数点してみます。

2015年9月4日金曜日

恒例イタリア取材

恒例のイタリア取材
観光ではありませんよ。 何度も来ているので、観光は終わっています。

イタリア取材 こうした博物館や美術館めぐりは必ずです。
彼方此方の文化がぶつかって出来たものや、土地ならではの文化が反映したもの、見るほどにエキサイトします。

イタリアの椅子張り展示会 筆者
毎年参加しています
日本からは、輸入ファブリックメーカーさんが多いですね。
彼らのドル箱の展示会ですよね、なんせ、日本では大体、ここの5-6倍の価格で販売しています。
私どもでは、その2倍‐2.5倍まで。 (諸経費+国内手数料)
なぜ、弊社に頼まないのか不思議ですが、織物が西洋が凄いという古い迷信が強いのは事実ですし、高くないと良いものではないという考えが根強い業界でしょうか。
私が有名椅子メーカーさんに持ち込んで、こんなの?たかいわ!と言われたのが、輸入ファブリックメーカーがもっていったら、凄いセンスがいいねなんて話があります。 値段が当社の売り値が3800円で、彼らが15000円だったそうです。 笑えませんね。 


2015年9月3日木曜日

デザインと組織のむずかしさ

ミラクレアという新商品の開発途中の糸の指図の覚書です。
絵から、特殊な織物デザインソフトに入れ替え、それを縦糸、横糸、パイル糸に分けます。
いわゆる組織作りです。 テキスタイルデザイナーの一番の腕の見せ所ですね。
デザイン画を描くのは、絵描きさんなら誰でもできます。 グラフィックアーティストでも可能です。
それを織物にするには、縦糸や横糸の組織をどう作るか、どの部分で色をだすのか、考えていきます。 同じデザイン画でも、織物が出来上がると、全く違う組織になるし、良い悪いの要素がそこに出てしまいます。
美術学校を卒業したので、企画希望ですという学生さんが来ますが、本当に驚いてしまいます。
何年も修行しないと企画なんてできないよっ! 教える方が多すぎて、商売になりませんね。 奉公と同じようなことでは、ブラックと言われてしまいますから、やはり、出来る人にお仕事をお願いしすることになります。 できる人を育てるには、業務‐営業と経験する中で、朝夜と勉強をして能力アップすることです。 海外でいうキャリアアップの方法と同じです。 働きながら、次の技術を会得して上を目指すのです。

2015年9月2日水曜日

試作で物性確認を行っています。


試作品でピリング発生! でも大丈夫。
弊社がインテリア・ブランドメーカーではないという理由。
それは、試作段階で自社の物性検査の機器類を駆使している点。
自社で、物性を検査の結果から試作段階で改良して、良いものに仕上げていく。
さらに、販売開始後も抜き取りで検査して、懸念があると改良をしていることです。
殆どの商品が、4-10年とコストをかけて改良されていきます。
短繊維の化学繊維では、椅子のように摩擦が大きいとピリングを発生しやすいので、
椅子用のノウハウである撚糸が必要となります。
ノウハウがあるのが強みです。 このような形で開発し、サンプル帳を発刊しているのは当社だけです。
海外製造であっても、デザインや品質、管理は、日本製の部分が多いのです。

2015年9月1日火曜日

手作りの展示会


展示会では、商品を見せるために工夫を沢山しています。
その一つが、手作り椅子です。
売るには強度が心配ですが、見せるだけですから形だけ。
ホームセンターでそろう材料を利用しています。
メーカー品を使うと、見にくる椅子屋さんが、どこの椅子だろうという方に
注意が行ってしまうので、できるだけ自分たちで容を作ります。

引っ越ししました。

 個人でレンタルサーバーを借りて、引っ越ししました。 結構、お金が掛かりますが、HPの自由度が増すので決意。 より、知識重視にしています。  張替えてんやわんや というブログ名です。 https://sya-cho.blog/ 是非、引き続きご愛好をお願いします。