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2020年2月10日月曜日

中国工場の再開の行方

2020年の春節が新型コロナウィルスの影響で延長になり、1週間遅れの2月10日に営業再開と誰もが思っていた。 鳥インフルエンザやSARSと経験し、慣れっこの三度目である。 感染者が多い割には、武漢以外の死亡率は低く、個人的には過去の経験時より、安心していました。 しかし、SNSの影響だろうか、又は中国では、役人の責任追及が厳しい時世からか、街を歩く人も少ないなど、日本で過ごす私にとっては、ちょっと過激すぎる反応に見えました。 パニックは銀行のとりつけ騒動と一緒で、トラブルが広まり、得るものがない。 この場合、初期には病院がパンクし、インフルエンザも風邪による肺炎とも区別など付けられる筈もない。 

ところが、9日の夜になって、当局から営業再開許可が得られないと連絡が。 マスクは従業員の数x10日分、手の消毒液、そして、非接触型の体温計が要求されたとのこと。 其の中で、体温計が非接触ではないという理由で、工場が開けられないという。 同じ敷地の別会社にそれがあって、それを回すか、同じ門を使っているので門で体温の検査をすればいいだろと当然思う。 過去はそうだね、あんたの言う通りだという流れで許可だったが、一社一個が決まりだと、聞く耳持たずらしい。 書かれた通りにしか動けない、強い政治と弱い自治のケースとして記憶されていく。

当局側の過度な拒否だ。 現実、現地スタッフは、違反したら逮捕するぞ!で脅されているから、何も言えない。 私は、逮捕されてでも、門ですればいいだろと、正論であれば戦うことを選んできた。 工場を一日締めれば、1/240日の固定費が負担になり、20日も締められたら、固定費分と出るはずの利益分のダブル減で、健康な企業であっても厳しい経営になってしまう。 こうした道理が通る筈での理不尽さに対して、局と議論しない、戦わない経営者など不要だ。 結果が負けようとも、何もしない負け癖を付けるサラリーマン・ダメ経営者は多い。 そういうのが多いから、大きな会社もダメになる例が後を絶たない、大手だから安泰ではない、これはダメ経営者が多いという例だ。

一番酷いのが、放熱をはかる赤外線温度計で、人のおでこをはかっているニュース映像が流れていることだ。 こんなもので体温が計れないのは赤外線温度計の使用者なら常識だろう。 身体の中の温度と放熱温度は、まったく違うのだ。 おでこを水で濡らして計れば低くなる位低レベルな計測だ。 レザーの樹脂を練るのに、温度が足りているか、エンボス加工の前と後で熱が適切かなど、実際に表面温度の熱移動で作業する仕事には有効だが、どうして、中の熱が測れるか。 それでも持っていれば許可が出るというのだから、容だけ何とかしていれば、良いというお役所仕事。 接触型の体温計で、使用前と後に次亜塩素酸で拭きとって(完全殺菌、殺ウィルスになる)使用すべきだし、それが確実でいい。 医師が先頭に立ち、そう議論すべきなのに。

さあ、真面目な私、いい加減な工業用の赤外線温度計ではない、非接触の体温計を探す。 9日の夜にインターネットで非接触を探し始める。 異常に高価であるか、または、6-14日後発送、1-6日後発送というのもあるだけで、1日で手に入らなければ意味がない。 こういう情報が9日の夜に私に入ってくることが憤るが、3度目の経験となる自身の油断。 幸い、店舗渡しで一台確保して翌日を待った。 朝には、他の人に手配されていた温度計が届き、頼りになるべく部長職に、午後の飛行機で上海へ、翌11日の朝の便で帰国で調整して、出発してもらった。 

私は翌週に台湾で仕事があり、中国渡航歴があるとそれから14日は入国させないという政府方針が出ており、代わりに行けない事情がある。 有事に自分が先頭に立ってくる中小企業スタイルだからこそ、皆が信頼してくれ、離職率が極端に低く、中国で設立して18年、赤字が一度もなくこれた。 それに、自分が部下の時代は、言われる前に自分が行きますと前日に全部手配が終わっていたから、今の部下と自分が部下の時代との、とてつもなく大きな差、私の後を考えると精神的に堪えた。

日本は明日11日が休みであるが、きっと、10日には、体温計が工場まで持ち帰られ、明日の午前中には稼働していることを願いたい。 縫製品は自社で完結できるし、材料在庫はお手の物。 一日でも早くお客さんに安心してもらいたい。 その期待を裏切ったら、倒産の道だと思う。 ダメな会社は、いちいち、そうしてダメになっていく。 主体的に気が付かないが、第三者の目で見ていたら、そういう倒産ルールが存在するのは明確。 自分がバトンをつないで、遅延させない!そういう気概のある社員が豊富にいる会社でなくては、生き残れない。 そういう今日でした。

今回は、各地元政府の対応が、何か逆らえば逮捕する!と強すぎて、弊社工場が動いたとしても、多くの企業や配送がまともにならないと判断します。 お客様や情報が欲しい方には残念ながら、今の所、中央政府が大号令を出さない限り、戻るまで数か月かかる覚悟がいると思います。 それが、20年近く工場運営をしている私の見解です。

*知られているコロナウィルスは、普通に風邪を引き起こす原因であるし、風邪が悪化すれば肺炎で死者を出すのは従来から知られている。 元々、死因の多くは肺炎。 癌や様々な大きな病気の患者でも、亡くなられた方の死因を聞くと診断上は肺炎と聞くことが多い。 衰弱の中で、最後は呼吸困難で亡くなるからだろう。 新型の感染力が強いとかは、専門でないので分からない。 しかし、従来のコロナと同じレベルの毒性であるならば、風邪と同じで、健康であれば鼻や喉の風邪で終わり、それ以上悪化しないことも考えられる。 コロナの陽性であっても、肺炎まで発症していないのは、感染力は別として、従来のコロナとあまり性質が変わらないのではないかと推測もできる。 インフルの方が死者数が多いが、中国の現在のインフルの死亡者数が不明である。 肺炎の原因が全て新型コロナというよりも、我々は冷静にインフル対策(結果的に手洗いうがい)をすべきだと思うのでした。 いずれにしても、新型コロナに限らず、ウィルス性の病気は、お年寄りや疾患がある人には悪化の恐れがある。 普段から自衛して気を付けるのは当然であろう。 一方、平常者が必要以上に警戒する社会なら、車も危険だろうし、人と接するのも危険だろうから、普段の危険リスクと比較して新しい”自分なりの平常”に戻るべきだと思う。

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引っ越ししました。

 個人でレンタルサーバーを借りて、引っ越ししました。 結構、お金が掛かりますが、HPの自由度が増すので決意。 より、知識重視にしています。  張替えてんやわんや というブログ名です。 https://sya-cho.blog/ 是非、引き続きご愛好をお願いします。