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2015年8月27日木曜日

2015年ISLIFE展

毎年 6月7月に本社ショールームにて椅子張りの展示会を開催しています。
弊社開発の方向性を出すだけでなく、感じ取った世の流れを商品という容で表現しています。
入口のオブジェは、フォトグラファーの鈴木さん親子がテーマに合わせて考えてくれます。
良い雰囲気作りが商品力を引き立てるのです。

今年はとても多くの椅子製造メーカーさんが来てくれました。
ご来場に感謝いたします。
大きな費用をかけてのことで、過去、何度も辞めようかと思ってきましたが、御来場者の増加が継続を後押ししてくれています。 来ていただかないと採用も減りますので、気合を入れています。

2015年8月26日水曜日

縫製工場を建てる時

2013年1月に新縫製工場の落成がありましたが、写真はその工事現場。
我々の超小ロット多品種生産としては、大型の縫製工場といえる代物。
日本の縫製工の年齢や機能の低下を考えて投資した第4期拡張工事でした。
4つ目の建物となると、設計段階の精度があがるので、使い勝手も良いですね。

昨日も敷地が膝まで水浸しになる大雨になりましたが、これは、日本でも工場建て慣れているので問題なし。 床を1m程あげてあるからです。 コストはかかりますが、こうした危機管理でロスが発生しません。
写真は筆者。

2015年8月25日火曜日

懐かしの開所式


フォルダーを整理していたら、中国の南通シンコーの開所式の写真がでてきました。
私が、勉強のために中国に1週間行った1999年。 まだ、課長職でした。
香港から北上して上海、山東省と織物や皮革工場をみたり。
帰国して、全力のレポートを書いて、会社に提出。
1年後に当時の社長から蛍光ペンで彼方此方塗られた私のレポートを手に持ちながら、
アンタが中国に行って工場を作ってこい。 予算はいくら、いつまでに開所式!という指示でした。
愛媛県の大和染工さんが、中国に出資してくれることになり、それからはあっという間。
本が数冊かける出来事を潜り抜けて、間に合わせたのを思い出します。

その中国オペレーションも、人件費高騰と円安で、安かろう悪かろうで撤退する企業が多い中、我々はしっかり経営をして、維持できています。 これも、皆の協力あってのことです。
リスクが高まったのではなく、元々リスクのあるオペレーションですから、織り込み済みです。
しかし、皆の不安材料であることも事実です。 お客さんにもっと任せてもらえる会社にならないといけません。

2015年8月24日月曜日

Pakker パッカーはお気に入り

商品名: パッカー T-4065  Pakker
他にピンクT-4067 と 黒 T-4066があります。
上代 6400円

椅子らしいデザインの中でも難しいのが小紋柄。 欲しいと言われるけれど、実際には殆ど売れない。 やるだけお金を捨てるものだという考えで作らないと、売れない時に慌ててしまいます。
そんな中でも、自分なりには無地よりも小紋柄ならではの良さがあると信じています。
その一つがパッカーのようなアプローチで企画したものです。
より多くの縦糸を使って、無地を演出する。 この場合は、サテン調に光があり、LED電光で生えるようになっていますが、モール糸で手間のかかる絣染めをして、横糸に打ち込む。 すると、ランダムなのにでてしまう絣の規則性という問題が消え、癖の全くない織物になりますね。
作り手の情熱がないとできない商品です。 それでいて、椅子の表情が良いではないですか。
小紋柄は売れないのではなく、知らない人が多いということです。 一生懸命PRしなくてはなりません。




2015年8月21日金曜日

Orgel オルゴール

商品名:Orgel オルゴール T-4436 ブルー
 他にベージュがT-4435

定番中の定番柄です。 それでも、細部に弊社ならではの工夫を凝らしています。
花の向きは我々オリジナル。 世界的に見ても、この柄配置の考え方は珍しい。
あまりにも自然で、気が付かないと思います。 椅子を作る職人さんは、工夫に気が付いて、ニヤニヤするのではないでしょうか。 やっぱり、シンコーだなって。

この色が何と言っても、お気に入り。 過去にゴブランでこの色をやっていない事に気が付いたのが良かったわけです。 とても、花の色を引き立ててくれて、それでいて、クラシックの高級感がある。 写真の例だと、椅子の容と重なってかなりエロチック(?)な雰囲気が出ていますね。 ベージュ色でも同じ効果があるんです。 なぜ? エロチックな要素があって、それを入れる商品はなぜか良く売れるんです。 勿論、エロチックは感覚ですから、私独自が言っているだけかもしれません。

陽炎という名前の商品で T-4089 ベージュ と T-4090 ライトブラウンがあるんですが、これも私のいうエロチックを持っていますよ。 良さの元となる共通な要素に気が付くでしょうかね。

2015年8月20日木曜日

Adler アドラー

商品名: アドラー

葉っぱ柄を手掛けようと企画は沢山あるのですが、じゃあ、どんな葉っぱということになると、結構難しいわけです。 テキスタイル専門の図案屋さんが世界中にあって、彼らのを過去、数万枚とみてきているわけですから、大抵のオリジナルとなるモチーフとその表現方法は頭に入っています。
それらを、どう組み合わせて、織るための組織に落とし込むか、または、どんな製法をとるか、これは、数をこなしてきた経験だけでジャッジしていくしかありません。 社内テキスタイルデザイナー陣に、コンセプトと柄域設定を説明して、彼らが取り組んでくれるわけですが、最近は協力会社の海外デザイナーにも同じ投げかけをして、コラボしてあげる取り組みもしています。
苦労して設計図が出来上がったら、海外デザイナーが、これ、15年前に誰かが書いたやつって。 かなり似ているサンプルが出てきたりして。 おい! 同じことやってるだけかっ!がくっ。 てなことも。 織物のモチーフが一緒で、椅子に持つような耐久性を求めると、織りの組織は似通ってしまいますし、各国の椅子のサイズがあって、柄域で国柄の特徴がでてしまいますからね。
住まいの大きさに比例しているようです。
中東では、1mに1個の大きな柄は当たり前。 アメリカやヨーロッパでは、50cm前後のリピートは当たりですね。 日本は、25cmのリピートがあうのでそのサイズが多い。 今は、あえて、25cm柄にこだわらない商品群を増やしていますけどね。 大きなリビングにあう大きなソファを買う、富裕層がいるからです。

ジャガードらしさと、和室につかえる日本らしさ、洋ホテルのロビーでも、ベット周りでも使える柄に仕上げました。 色は地味に見えるんですが、部屋に入れると丁度いいのです。 どの色も自信あるので、使ってください。 クオリティーの高さを感じる時があるはずです。

2015年8月19日水曜日

Grainer グレイナー

商品名 グレイナー

楕円状の不思議なデザインは、3タイプの組織で作られていて、その組織違いの反射が色の濃い、ふつう、薄いを醸し出し、シンプルを保ちながらも、表情深い織物ができています。

民芸調を目指して、元の柄は半円からスタートし、徐々に今の形にしていきました。
組織違いは、単純なのに変化がある柄、変化がほしいという要望に対しての機屋さんのアイデアが出てきて、採用しています。 DUEのギリギリまで、修正がかかり心配しましたが、立派なデザイン織物が完成しました。

このデザイン方向を決めるのに、民芸のメッカ、長野県の松本営業所に協力をしてもらい、民芸美の取材を続け、シンプルが機能美から来ているだけでなく、ちょっとした遊び心が加わって、多くの人の美に対する琴線に響くことを深く理解しました。 民芸も発展する歴史を辿っていたのです。
このデザインの壺、同じ柄をデコボコで3種類使い分けるような発想で作っても、良い壺になると思います。 

2015年8月18日火曜日

J-style J-スタイル

This is rare all Japanese Made fabric, called J-Style.

商品名:Jスタイル
テキスタイル総合サンプル帳商品

確かに、Made In Japan は、一手間も二手間もかけ、色んな気遣いがされながら作られて来ましたから、それらを使っていて、不具合とか変なことが起こりにくい。 それも、海外産で良いといわれてしまえば、あっという間、簡単明朗にお終いです。 もう、国内は壊滅したと過去形で良いのではないでしょうか。

残っている織物製造は、文字通り細々として、設備投資も海外のそれとは別次元にできません。 より、”Made In Japan”の文化・伝統に向かい、技術が凄いとか、手間のかけ方が凄いとか、日本すごいですTV番組のようになっていくようです。 お着物の世界に近い製造形態に似ていくのかもしれません。

事実、アパレル大手の経営が一昔と全く違う状況です。 海外製に手を出せば仕事は済んでいましたが、開発や輸出入や在庫に、今までの何倍も大量の現金を必要とする、金融業に代わっていくようなものです。 金融の目で経営を見なくては、金利が出てきません。 在庫回転数程度の管理では追いつかないくらい、現金が必要となります。 天候不順でシーズンがズレたら命取りではないでしょうか。

椅子張り布においても、安い海外産のみならず、そんなに高くない海外品が日本で10倍近い価格をつけられて販売される輸入ファブリックというおかしな分野があります。 それにも日本製が負けるというのは、インテリアが如何に、海外製が良いものだという昭和に作られた伝説が根強いか、がっかりする事例です。 

このJ-Styleは、輸入ファブリックが1mで、1万5千円も、2万円もするのに対し、上代でたったの1万円で、All Japanが楽しめる貴重な一品です。 繊細な椅子に使ってもらうので、耐久性はありませんよ。
それも、輸入ファブリックと同じです。

2015年8月17日月曜日

他社のファブリック

同業他社さんが、どうしたら売れるか、という調査をしているというので、それ以前に大切なことを一つ。 売る前に、品質をしっかり担保して、国産の業務用家具の品質イメージを傷つけないことです。


写真は、リニューアルして1年のホテルのロビーの椅子に使われていた、その同業他社さんのサンプル帳商品です。 手が当たるところの糸が全部抜けて真っ白、つまり、地糸が露出しています。

抜けるほど甘く撚るから、風合いもいい。
素材も、柔らかくて、色合いもいい。 でも切れてしまう。

それって、大行列で海外の展示会に行って、メーカーが作ったのを見て、これ良いねという感想で選んでるだけですね。

ハッキリ言って、カーテンと全く違う。
下着に使う布とカーテンの布が同じかと言われたら、違うというでしょう。 それくらい、椅子も違う。 
耐久性が無くては、どんな使われ方するか判らない。


白黒は、より抜けた糸が見やすいように加工したものです。 

まず、作りこみをしなくちゃなりません。 今では開発、特に品質の作りこみで、2年かけるのは当たり前。 きれいだとか、風合いがいいとか、それは選考基準になりません。

そして、デリバリーが始まれば、抜き取り検査を何度も繰り返す。 色があっていることよりも、物性が基準値であるかどうか、対処すべきです。 問題があれば、糸や組織を変えて、バージョンアップを繰り返す。

サンプル帳での、椅子張りの必要とされている機能は、耐久性です。 個別開発なら、もちろん、物性が弱くても、相手の言うとおり作るのですから、物性が悪いという説明責任を果たしていれば問題はありませんが。

同じ空間の当社のものは、全く痛んでいませんでしたが、メインの椅子が写真の様子では、ホテルの品格を落としてしまいます。  

2015年8月12日水曜日

Ambiente L-1795

 商品名 アンビエンテ L-1795

投稿された写真から抜粋しています。
ボックス椅子になるパーツですが、平面状に張ると印象がクラシックよりも
モダンに見えるのは不思議ですね。

Sincolのサンプル帳では、クラシックタイプに見える写真を使っているので、この投稿写真は、椅子屋さんや設計さんにはトテモ参考になると思います。

おすすめは、白の1794何ですが、どうでしょうか。
新色の1793の緑は売れると思います。 椅子独特の重厚感がでますからね。 QR投稿お願いします。

2015年8月7日金曜日

PU Leather

ポリウレタン樹脂のレザーは、そのタッチの柔らかさや、ムレの少なさから人気があります。
他社は加水分解してしまいますが、私のはそういう問題をクリヤーしています。
日本で一番売れているPUレザーはうちの物なんです。 直販しかしていませんが、転売が多いようです。 PUの開発なら直接要望して欲しいですね。

2015年8月5日水曜日

A July Exhibition at our Nagoya's showroom end


New Items are in this exhibition in every July.
Almost all sofa and chair manufactures are coming to see, since this is the only one exhibition , specialized for upholstery in Japan.

2015年7月展も盛況の上に終わりました。 ご要望があれば、展示会が終わった後も、個別に商品をお見せすることができます。 今回は1m80,000円の貴重なウールモケットが話題をよんでいます。 高級メーカーさんは工場なので、一品的な高級を使えないので、椅子の張替屋さんで、こうした本物を使って本当の高級に仕上げています。 貴重な織物が必要な場合もご用命ください。

サンプル帳以外にも数千種類のアイテムで、小さな細かいニーズに応えています。

2015年8月4日火曜日

ワオウを使うと椅子を選ばすしっくりきます。

商品名:生地 Wao ワオウ T-4078

力を入れている日本製のジャガードです。 日本製は特に、頼まれてから織る別注織物で、出来るだけお客様のいう色柄に近づけて必要分だけ作り納品する、超高級対応のオリジナル・サービスです。 その中で、定番的に御願いされる柄の一つがこのワオウです。 過去の物より密度を上げているので、別注色では細かいニュアンスがでるように工夫しています。 デザインは、どんな椅子にもマッチングし、洋風でも和風でも使えるのが喜ばれて、本当に長い事愛用頂いております。 今回は、サンプル帳に載せて、幅広く使って貰えるようにしています。 光沢があり、とてもいいものですよ。

ダブルラッセルの王様 オキシマックス

OXYMAX (TM) オキシマックス

前記述したダブルラッセル製法の椅子張りです。
表組織と裏組織の間をあけているので、空気の流れがあり、蒸れません。 太い糸を表組織に出しているので、丈夫でもあります。

安い事務椅子に使用されているダブルラッセル(メッシュ調)は、おそらく、バイヤーさんが安ければ良いという発想で採用しているのでしょう。 しかし、ダブルラッセルは、フィラメント糸を使うことが多く、椅子の座面にすると滑るのです。 これを知らない。 滑る椅子は、知らない内に座っている人が踏ん張るので、腰を痛めやすいし、疲れるのです。 かっこいいとか通気性があれば良いわけではありません。

我々はプロですから、できるだけ滑らないように糸を加工していますし、何と言っても表情を作っています。 先日、ゴルフ場の休憩所で使用しているのを見ましたが、雰囲気もいいですね。

2015年8月2日日曜日

商品名:アンティカ

ダブルラッセルは、シングルラッセルに対しての名称で、かいつまんで言えば、経編のダブル編。
ラッセル機で編めば、その編物はラッセルだ。 経編は、縦糸を並べて、針でそれらを絡ませていく編物。 整経(縦糸を一定のテンションをかけて並べてボビンに巻き取った状態)しているので、基本的にはタテに伸びがない。 経編では整経という工程があるので、世間一般の編物から言えば、織物寄りかもしれない。

この椅子は、日本製。 五反田製作所さんの物と聞いている。 此れだけ細いと、普通は強度が問題になるが、木のそり具合など木を知り尽くしているから、立派な椅子になるわけです。

ダブルラッセルは、表組織と裏組織、別々の整経したボビンから糸がくり出される。 その二つの組織間を一定の距離を置いて糸でつながっていくので、厚みがでる。 厚みは、機械によるが、5cm以上あけることもできる。 その場合は、ベットの上におくクッションや水処理上のフィルタとして用途がある。

そのままだとクッションの様になるわけだが、それを三枚おろしのように(実際には2枚おろし)横から刃物をいれて2枚の組織を作り上げる。 すると、二つの組織をつなげていた糸が丁度、真ん中の距離で切られることで、其れを広げるとパイル織物の様に、上に向いた糸が織物から飛び出したようなルックスになる。 そのパイルを立ち気にしたり、撫で毛にしたり、くるくるしたりで味を出すのが意匠を付けるテクニックになる。 車のパイルの殆どが、この製法で、じつは織物ではない。 パイルにプリントを施したり、一部を溶かしたりして模様を付けている。 バスや電車では、今でもパイル織物が使われているが、車は安く大量に生産できる方法へ進化していき、ダブルラッセルに置き換わってしまった。 日本のパイル織物が壊滅になったのもこのためと言って良い。

アンティカは、ダブルラッセルでありながらも、毛を寝かせて高意匠に仕上げたもの。 染色が難しいが、味がでるものは皆そんなモノ。 既に10年もやっているが、品質上大きな問題を起こしていないのが強み。  新商品では、クルリンという商品名で同様のダブルラッセルを出した。 掲載が地味なのだが、一度使うとファンになると思う。 是非使って欲しい。

引っ越ししました。

 個人でレンタルサーバーを借りて、引っ越ししました。 結構、お金が掛かりますが、HPの自由度が増すので決意。 より、知識重視にしています。  張替えてんやわんや というブログ名です。 https://sya-cho.blog/ 是非、引き続きご愛好をお願いします。