商品名:アンティカ
ダブルラッセルは、シングルラッセルに対しての名称で、かいつまんで言えば、経編のダブル編。
ラッセル機で編めば、その編物はラッセルだ。 経編は、縦糸を並べて、針でそれらを絡ませていく編物。 整経(縦糸を一定のテンションをかけて並べてボビンに巻き取った状態)しているので、基本的にはタテに伸びがない。 経編では整経という工程があるので、世間一般の編物から言えば、織物寄りかもしれない。
この椅子は、日本製。 五反田製作所さんの物と聞いている。 此れだけ細いと、普通は強度が問題になるが、木のそり具合など木を知り尽くしているから、立派な椅子になるわけです。
ダブルラッセルは、表組織と裏組織、別々の整経したボビンから糸がくり出される。 その二つの組織間を一定の距離を置いて糸でつながっていくので、厚みがでる。 厚みは、機械によるが、5cm以上あけることもできる。 その場合は、ベットの上におくクッションや水処理上のフィルタとして用途がある。
そのままだとクッションの様になるわけだが、それを三枚おろしのように(実際には2枚おろし)横から刃物をいれて2枚の組織を作り上げる。 すると、二つの組織をつなげていた糸が丁度、真ん中の距離で切られることで、其れを広げるとパイル織物の様に、上に向いた糸が織物から飛び出したようなルックスになる。 そのパイルを立ち気にしたり、撫で毛にしたり、くるくるしたりで味を出すのが意匠を付けるテクニックになる。 車のパイルの殆どが、この製法で、じつは織物ではない。 パイルにプリントを施したり、一部を溶かしたりして模様を付けている。 バスや電車では、今でもパイル織物が使われているが、車は安く大量に生産できる方法へ進化していき、ダブルラッセルに置き換わってしまった。 日本のパイル織物が壊滅になったのもこのためと言って良い。
アンティカは、ダブルラッセルでありながらも、毛を寝かせて高意匠に仕上げたもの。 染色が難しいが、味がでるものは皆そんなモノ。 既に10年もやっているが、品質上大きな問題を起こしていないのが強み。 新商品では、クルリンという商品名で同様のダブルラッセルを出した。 掲載が地味なのだが、一度使うとファンになると思う。 是非使って欲しい。
椅子資材開発30年、日本一の椅子資材を開発する部隊の指揮者が、すわる、ねるの2つの姿勢を通して、商いの目で様々な出来事をつづる、思いあるブログ いすのことなら 椅子の張替えの話題や新規の案件、レザーとは、テキスタイルとは、椅子とは、すわるとは、ねるとは、様々な話題で楽しめます。 あしたは晴れかな曇りかな。
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2015年8月2日日曜日
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