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2020年11月9日月曜日

新レザー総合サンプル帳の表紙で一言

 この題目だけだと、大喜利のようですね。 大喜利するのも悪くはない題材です。

此方は警戒していない時に、突然言われる、そんな話なのですが。

あるお客さんが、「お前んとこ、どんなセンスしとるんじゃ?」と、新レザーサンプル帳の表紙の件で、ネガティブなサウンドで言われました。 そう、そう言われて、心の中ではガッツポーズです!

狙い通り、関心を持ってもらい、棚に置いてある多数のサンプル帳で、断トツで目立つのです。 沢山のインテリアのメーカーが、材料毎につくる沢山のサンプル帳。 棚に押し込められて、プロらしさもない味気の無い風景。 どれを見ても、兎に角、無難。 唯々、無難。 私の目では、どれもブランド思想を感じない金太郎飴に見えます。 御洒落風であっても、画一的で、無難の範囲で狙った、”サラリーマン・デザイナーが作りました”感が出まくりです。

センスを疑われるのが怖い、これが企画の人が考えやすく、確認や承認する人も含め、無難に落ち着く理由の一つです。 私の場合、この危機感がゼロ。 言われたら、「俺はセンスがないんだ、目立つんだから良いんだよ!勘弁してよ!」で、開き直れる。 わざわざ、マニエラの生みの親と説明する必要もない。 なぜなら、この会社では、企画マンだと言うならは、好き放題、やり放題して、やっと土俵に上がれる、個性を重んじられている。 とは言え、市場トレンドや社会情勢を無視したわけではありません。 綿密に計算されています。 例えば、ビタミンカラーは、コロナ19で沈んだ気持ちを上げる為でもある。 毒々しさは、”毒には毒をもって制す”、喧嘩にめっぽう強い腕っぷし戦略からも来ています。 下絵やカラー見本は数十という単位が書かれ、選考され、何度も修正され、言いたいことが出尽くしたところで、やっと採用されています。 文字通り、表紙とその裏側の言葉、最初の指示から承認までで、数か月かかる作業です。 意外でしょうが、私の市場に対するメッセージが先に書かれ、フィックスされてから、表紙のイメージが作成され、そして正式にサンプル帳企画が発足されます。 途中で曲げない様、企画開始段階で、商品の作り込み以外、最終までの仕事が終わっているわけです。 

因みに、デザインは”海に漂流しかけるガラス玉”。 オリンピック後の不景気や、コロナ禍の様々なこと、自由を縛られる我慢ならない感情、それ以外の未知のウィルスや病気、超高齢社会、わずかな出生率、綺麗ごとのゴタク、整頓しすぎな法規制、何の根拠もないこう思う人がいるという陰口の様なSNSと踊らされる人や、受け売りしてくる人、経営は難しくなる一方で、まさに漂流しやすい。 それをロープで編んだネットがどこかに引っ掛かるのを待つ、いや、もう引っ掛かっているかもしれないが、流されない様に、自ら行動しないとならない、そんなメッセージでイメージを作りました。 それが波の様にうねる背景とロープではレザーサンプル帳にならないので、レザーのメッシュのデザインに変更して出来たものです。

立体感は、堰の水をイメージしています。 堰では水を逃がしながら、袋状に河川に横たわり、水の流れを緩やかにして、水を貯め、その溢れる水を横から水田に取り込む。 知恵の塊。 そのように水を逃がさないと、水圧で堰が壊れてしまいます。 穴が水流と水圧を上手にコントロールして開いたり閉じたり。 何でもかんでも真面に受け止めたら心が壊れてしまうでしょ。 心の穴でそうした物を逃してやり、自分の生き方の負担を減らす、そんな自分の人生観が影響しています。 堰のある風景を思い立体を強くしています。

多分、角度によっては、うねる様な立体感で目の錯覚を起こす瞬間が体験できるのではないか。 因みに、デザイン・アイデアとイメージ、その思想だけを伝え、スタッフがそれに応えデザインを起こし、私はダメ出しするだけですが。 毎度ですが、OKは、本当に貰えない、スタッフ泣かせの表紙づくりです。

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引っ越ししました。

 個人でレンタルサーバーを借りて、引っ越ししました。 結構、お金が掛かりますが、HPの自由度が増すので決意。 より、知識重視にしています。  張替えてんやわんや というブログ名です。 https://sya-cho.blog/ 是非、引き続きご愛好をお願いします。