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2021年1月28日木曜日

デイタラ Deitara(新サンプル帳商品)

4方向のアクセス: 張地サンプル帳P4、写真カタログP48、ウェブサンプル帳 https://sincol-group.jp/digitalcatalog/leather2021/#page52、Alexa スキル シンコーレザー検索にて、8007と言ってください。 Alexa アプリは、iPhoneもAndroid、WindowsにもインストールできるAIです。

壁に向かって座り、自分と何時間も向き合って、そこから出てくる感情を観察すると、ソクラテスの姿を借りて、プラトンが言った“アイコン”みたいな存在を、レザーで表現しきれていないことに気が付きます。 レザーになっていないデザインがまだ沢山あることに驚愕し、一つ一つ、それらを具現化する宿命のようなものだと悟ります。 このデイタラは、琳派に着眼したデザイン。 琳派は、俵屋宗達の風神雷神を、その100年後に尾形光琳がブラッシュアップさせたのが代表例。 一説によると、光琳は金箔を貼らずに金箔を描くことに美の深さを感じていたと。 実際に、画によっては金箔が貼られていなかった。 調べるまで、誰も気が付かない。 まさに、光琳の美、全て絵で表現するから絵だ、という思想が成功していたわけです。 

企画は、当然、椅子用のレザーなので、風神雷神を描くわけではない。 寧ろ、風神雷神が暴れまわる舞台を表現しようと、漆が数百年を経て金箔・銀箔の表面に出てきて滲ませる様な表現をプリントで模索してきた。 それこそ、表現方法が見つかるまで、何か月も何枚も書き続けて。 見つかっても、わび、さびが出てしまう。 そうならないよう注意しながら書き起こしたイメージを、最終的にチームで仕上げてくれた逸品。 風神雷神が天候をどんどん変えるように、移り行く心情が見えたら、この商品の成功といえる。

ほんの少し前まで、和風レザーと言えば、お蕎麦屋さん御用達のかすり調レザー(弊社商品例ではカスリ)、座布団の様な市松模様(弊社商品例ではフィオレッティなど)。 

デイタラは、琳派の金箔を貼った、又は金箔を描いた屏風の表現からインスパイアされているので元柄が和風か。 洋風に和風の琴線を取り入れて、マニエラなど作ったので、洋風という言い方も古すぎる。 それに、インテリア業界でいう洋物が良いモノみたいな、輸入業者の大幅な利幅で儲けてるのは、ネット時代に大きな疑問だから、洋風という表現はやめにしたい。

伊東若冲や尾形光琳などの、斬新な日本画を自身のテーマとしてみてきて、自分なりに消化したエッセンスをベルサイユなどのレザーに取り入れている。 令和第一弾のレザー企画では、過去、温めながら手を付けていないアプローチに専念。 コロナ禍で時間が余分にあったのも専念しようと思った切っ掛け。 この時代でないと出来ないレザーが沢山生まれた。 

織物調デザインを増やして欲しいと、営業の要望書に散見していた。 自身では、マニエラ他、マダマダ売りきっていないと思っている。 マニエラに飽きた様な話をするお客さんが居るが、まだまだ、マニエラがLEDにあたる角度で表情を変えてくるのを使いこなしてくれていない。 光と影を活かしたステッチと背の巾など工夫がマダマダできる。 今の使われ方であれば、現状の織物ライクなレザー商品群で、色を増やして、使う対象をチューンナップすれば、十分こたえられる。 そうした提案で倍の数を売るのが営業の仕事だと思う。 先ず既存品のPRをし直し、ライバルと真っ向勝負して、シンコーの営業の強さを鍛えなおさないとならない。 レリゴールやボンボーン、スタイリスなど多くの織物調で、更に手を加えてみたので確認して貰えると、その意味が分かる筈です。 

細かい変更が彼方此方に施してある。 普段、色違いだと文句を言う人程、意図的に琴線の深さを増したことは気が付かない。 寧ろ、デザインしている人たちから、更に良くなってる気がするけどなんで?と言われるが、本質を見ているのはArtの人たち。 今はまさに、バルミューダなど、Artの人たちの時代に変わっている最中だから、本当は細かい変更に気が付いて欲しい。 是非、このデイタラを張って、じっと眺めて絵の具の雫が1滴垂れる様子を想像して欲しい。 きっと禅問答のような答えが返ってくる。 躍動するのはプリントされた絵ではなく、モノを作る技術にあると。

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引っ越ししました。

 個人でレンタルサーバーを借りて、引っ越ししました。 結構、お金が掛かりますが、HPの自由度が増すので決意。 より、知識重視にしています。  張替えてんやわんや というブログ名です。 https://sya-cho.blog/ 是非、引き続きご愛好をお願いします。