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2021年1月29日金曜日

エンゾウ Enzou (新サンプル帳商品)

 エンゾウへの4way アクセス: 張地サンプル帳 P5、写真カタログ P49、ウェブサンプル帳 https://sincol-group.jp/digitalcatalog/leather2021/#page52 Alexa skill シンコーレザー検索 で、8009と聞く




美眼、沈黙の喝采 写真カタログに載せた、私の小さなコメントに、この商品の全てを凝縮させました。 美眼は、Begun 始まっているに掛けています。 目が美しいのではなく、美しさを捉える行為を指しています。 喝采は、昭和歌謡から取ったわけではありませんが、心で見るものの喝采は沈黙だからこそ、評価の上を行く称賛な気がします。

私は、美眼を鍛える為に、取材を重ねていきますが、其の中でも京都には年数回訪れています。 正確には、美眼は悪い物を見すぎると衰えますから、維持の為の訪問とでも言いましょうか。 昔の良さを一度にたくさん見れる近くの場所はそんなに多くありません。 新名神道路のおかげで、2時間で京都ですから、普段通りに出発しても8時頃には京都入りです。 ですが、結構な時間とお金を掛けて磨いているのは事実でしょう。

エンゾウは、私の勧めで、息子が京都で学生になり、京都に行く機会が倍に増えて出来たデザインです。 京都へ行くと、一人寄り道をして、古い建物をめぐる。 結構、竹を上手に取り入れているんです。 今回のデザインは、竹刀くらいの幅の竹で組んだ窓やザルを基に、デザイン画をつくり、そこに手で線を直し、かなり縮小して図案にしたもの。 工場では、プリントのリピートづくりで苦労してくれているが、最終的に良いデザインに収まっています。 色については、今までに取り上げていない、洋式で彩色されたモノが古くなった色を参考にしています。

デザインを活かす特徴は色です。 我々のデザインから始まる思考では思いもよらない色をテーマに、和の要素の強さを和らげることに努力しています。 もっとボケた色がマッチするのですが、椅子にするとデザインが勝ちすぎてしまいます。 色の組み合わせは、過去の複数のヨーロッパの美術館の取材をもとに作ったアイデアです。

椅子張りは、テキスタイルでもレザーでも、単体の完成度は重要ではなく、椅子になって活かすことが大切、それが私の考える椅子張り。 インテリアの考えと私の考えが平行線をたどる要因の、人そのものの思想の部分、人間臭い部分です。 化学的な資材の色の場合、金太郎飴的にアプローチすると無機質になり何の魅力も感じないのです。 化学材料であるならば、揺らぐロット違いが出るデザイン、作り方の方が素晴らしいのです。 

学生時代に京都で生活をしていたら、もっと洗練された目が作れたと後悔していますが、息子を見ると何処でも出来るような生活しかしていません。 無頓着を否定し、良い物を作る、それを評価して気概を持って売る、これが本物ではないかと考えています。

竹ですが、モダンデザインで採用され始めてもう20年以上でしょうか。 最初は際物でしたが、今は普通に使われる材料の一つです。 竹は同じものがない。 節の向きや凹凸の大きさ、色艶、同じ年に取れたと言っても違う、個性の強いものです。 エンゾウでは、割いた時のささくれ、バリをそのまま描いています。 寧ろ、手を加えました。 
エンゾウのネーミングは圓窓から。 テキスタイル調ではなく、竹組であるところ、驚いている人が数名いました。 Ag+抗菌、次亜塩素酸で拭き取りでき、アルコールでも拭ける。更に防汚機能も付け、環境対応のRoHS2、難燃までつけて、1m 2900円。 輸入業者が、このレザーをヨーロッパだけで売っていたとしたら輸入してきて、15000円の値段で売ると思います。 見てると、大体上代の5倍売りですからね。 柄合わせの取り回しも良いので、きっと、沢山売れるレザーになるでしょう。

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引っ越ししました。

 個人でレンタルサーバーを借りて、引っ越ししました。 結構、お金が掛かりますが、HPの自由度が増すので決意。 より、知識重視にしています。  張替えてんやわんや というブログ名です。 https://sya-cho.blog/ 是非、引き続きご愛好をお願いします。