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2015年11月25日水曜日

シェニール織とシェニール糸のプレーンは違うもの

新聞広告などで出ている通販商品の紹介は、恐ろしく誤解されているものがありますね。
元々、通販系は安い納入単価を求められるので、そこまで大したことないのですが、書いてあることは一流品と一緒ですから、プロの我々からすると、ちょっとなーというのを見る機会があります。

シェニール織はヨーロッパ起源で、それらを元に考えられたパイルの町、高野口(こうやぐち)の再織(さいおり)とほぼ、同じものになりますが、これらはジャガードのような装置を使うことなしに、鮮やかな柄を作るために工夫された織物です。
一度、横方向に柄を作り、それをスリット(割いて)、帯状にして、それをまた織る。 とても、手の込んだ織物なのです。 この糸は、部分部分で色がついていて、プレーンな糸ではありません。

一方、シェニール糸は、わざわざ織物にして、スリットせずに、糸を撚糸する過程で、横方向から糸を入れて、撚りをかけたところで、その横糸を切ってまた撚りをかけて、横糸が切られてといって、連続的にシェニール織の過程でできるスリットの糸状の形態と同じ状態を作ってしまう意匠糸のことです。 この糸をヨコに使って、プレーンの織物を作ると独特のボリュームがでるので、ここ数年の椅子張りでは多く使われる意匠糸といっていいでしょう。 つまり、シェニール糸自体は、無地です。 ジャガードで織る場合は、細めの縦糸を何色か使って、アクセントにしたり、手の込んだものでは、縦糸にもシェニール糸を使うケースも。 縦糸は切れると生産性が著しくわるいので、殆どでは、よこに使います。

広告で使われる無地の織物は、シェエニール糸を使った織物で、柄のある手の込んだ作り方のシェニール織ではない。 つまり、そこまでの高級品ではないのです。 勿論、シェニール糸はちゃんとした意匠糸で、普通の撚糸より高価ですから、そこまでの安物ではありませんが、比較にならないということです。 間違えてはいけません。

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