ここ数年、日本の職人は凄いとか、日本は凄いというテレビ番組が沢山あります。
本当にすごい人は凄いのでしょうが、それ、日本だけではありません。
凄い人は世界中凄くて、食材が安心でない中国のイメージはあっても、国家試験の料理人の世界もあって、ここでは、人格者としても超一流な人が多い。 北京ダック焼くだけに執念を燃やし、同じ素材で焼くだけであっても、全くレベル違いの味に仕上げる職人さんもいる。
先月の東南アジアでは、鉄人の様な織物職人に会いました。 会う前、アポインターからは、気が難しくて全く口を聞いて貰えません。 残念な結果になっても申し訳ないとアポイント辞めようかと思っていたところですが、、、と聞かされました。 それは是非に会うべきだと、押し切って会いに行きました。 まず、顔つきが良い。 身体的な色艶は勿論、距離感と言い、間といい、百戦錬磨の佇まいです。 直ぐに意気投合。
こういう人は、大抵、織機を自分でオーバーホール(分解して組み直す)してメンテナンスする。 だから、モーターとかギアとか自分流に変えちゃう。 織物をみると判るが、筬割れもないし、機械にブレがない。 その辺を話すと、向こうもこちらがプロ中のプロだと判る。 それから先は、アポインターも周囲も話が分からない。 プロしか判らない話。 これは、工場を見る期待が高まる。
工場には、30年前の豊田自動織機のドビーが並ぶ。 中国製もあるが、中国で見る織機より動きがハツラツとしている。 そりゃ、ギアとか自分で作り直して調整しまくっているから、3流織機が1流織機の仕事をしている。 これが、本当の製造の姿。 今の日本にこんな人いない。 2-3流の人材を1流に仕立てると同じで、経営的な考え方だ。
日本はというと、我々の業界ではコピーが出回り始めた。 調べていくと、日本人のバイヤーだけでなく、卸売業者が我々の商品を持って海外メーカーに行き、同じのを作れということが判っている。 名刺のコピーもある。 我々が海外メーカーに、技術やデザインや販売の指導していることを知らないのか、、、、。 知らずにそのコピー品で張った椅子やソファを買っている企業家の人たち、責任者の人たちに、それはコピーですというと、コンプライアンスの問題が発生するので皆びっくりする。 日本人から買っているのに?という思いだそうだ。 テレビの日本人は凄いですね、なんてのはやるだけ、見るだけ恥ずかしい。 東南アジアの職人は、言われた真似はしない、俺のやれる織物だけを一流に仕上げるから、それを買ってくれと堂々としていた。 アジアは民度が低い、日本人は高い、もし、そういうなら、コピーをさせるな、使うな、買うなだと思う。 コピーなんて日本を悪くするだけだと志のある人たちが、知らずに使わされている事実がある以上、コピーして売っている同業者やバイヤーは、本物の詐欺だ。
それに、日本は豊かなのか? 時短が豊の証なのか?という問題。
残業が苦で自殺したなど、本当に日本人は幸せなのかと思うことが起きたが、実態は世界でもビリレベルのホワイトカラーの生産性の悪さが背景にある。 暇になるとあくびしているのが一番いいのに要らない仕事を作る、忙しい時もそれが当たり前になる。 クレーマーへの対応に苦慮するなどもそう。 受注担当が5分以上電話するのは、本当はおかしい。 だからといって、時間になったから帰ってと言ってて一流の心は育たない。 綿や撚糸、織の準備や織、整理加工、品質管理など、実践で覚えるだけの仕事量が国内になくなっているなかで、知らないと真贋も判らなければ、値決めもできない。 いや、開発が判らなければ仕事に成らない。 システマチックに出来る仕事なら、その人の能力でなくても、変わりは幾らでもいるとなる。 私たちの仕事はそんなレベルでいいのか? 働く人にとって、自分を高めるという重要な満足度がない。 時間とお金がイコールで豊はこない。 システム程度で対応できる内容なら、海外の低賃金にすぐに負けてしまう。 国民総貧乏と国にいわれてしまう。 国民は施しを受けるほど落ちぶれていない。 働き方改革は、実は一流目指すコース、普通を目指すコース、誰も出来る仕事コースという風に分ける話でなくてはおかしい。 時間ではなく、それぞれの豊が指標であるべきだ。 皆が同じレベルで如何して、資源の無い国が世界で生き残れるか、危惧している。
一方で、稼ぐ人には教育無償も関係ない、税金は高くすると国会で言っている。 稼ぐ人たちからみたら、それで、この国に居る必要があるのか、というか、この国は稼いでくれる人は要らない出て行け、といっているのか、存在価値がないと言われているのと同じ。 存在価値が問われているのに、国の為だ、仕方ないだろうと言われては、本当の筋違いになっていく。 余りにも、おかしい。 負の連鎖の始まりだと思う。
椅子資材開発30年、日本一の椅子資材を開発する部隊の指揮者が、すわる、ねるの2つの姿勢を通して、商いの目で様々な出来事をつづる、思いあるブログ いすのことなら 椅子の張替えの話題や新規の案件、レザーとは、テキスタイルとは、椅子とは、すわるとは、ねるとは、様々な話題で楽しめます。 あしたは晴れかな曇りかな。
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