椅子資材開発30年、日本一の椅子資材を開発する部隊の指揮者が、すわる、ねるの2つの姿勢を通して、商いの目で様々な出来事をつづる、思いあるブログ いすのことなら 椅子の張替えの話題や新規の案件、レザーとは、テキスタイルとは、椅子とは、すわるとは、ねるとは、様々な話題で楽しめます。 あしたは晴れかな曇りかな。
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2015年4月2日木曜日
大きなチャレンジ 準耐アルコール規格
椅子張りの世界では、PVC製のレザーをレザーと呼んでいます。 商習慣ですね。
このPVCは日本製は別格。 兎に角、使っている樹脂や副資材のレベルが高い。
昔は、食堂によくあった座面が丸いパイプいすが、カチカチになって切れて、黄色いスポンジが飛び出ていましたね。
原因の一つがアルコールで拭くこと。 テーブルを拭いたぞうきんで其のまま、椅子を拭く光景もありましたよねー。
そのメカニズムは、PVCを柔らかくする物質がアルコールで飛んでしまう、それで硬くなる、結果ひび割れる。 スポンジべろんちょです。
其れを防止するために開発されたのが耐アルコール機能。 そりゃ、ちょっとやそっとで硬くならない優れものです。
私の開発してきたレザーでも耐アルコール機能は、良く売れました。 多分、数千万メートル。
時は流れて、色んな機能を付けて、安全安心を基準に作りこんできて、ふと思ったわけですけど、「もう標準でアルコールに強いんじゃないの?」と。 これに、ある程度いじれば、耐アルコール機能を発揮するんじゃーないか?
それで、消毒用アルコールを買ってきて、アルコール濃度70%で1分ごとに1000回噴きつけて、観察してみました。
すると、どうでしょう、耐アルコール性能を示すではないですかっ!
次に、2000回。 問題なし。
次に、500回、吹付けて、ふき取ってを繰り返しましたが、問題なし。 (疲れたー。)
うーむ、やはり化学式的に考えると、似たような化学式になると、似たような効果がでるんだな。
ということで、業界がひっくり返る、新アルコール基準で、準耐アルコールという規格を作って特許と取りました。 業界の貢献の為に、無料で使える試験方法です。
それで、会社の900点にも及ぶレザーの1000回吹付けオンリーと500回吹付け&ふき取りを慣行です。
会社の部下数名とアルバイト3人で、半年かけて2度行いました。 お金も凄いかかってるなっ(汗)。 結果はぐりぐりの丸で、まったく硬化しませんでした。 これだけやって、成果が出ちゃうと、自信つきますね。 耐アルコールが売れなくなるなーって心配もありますが、それは、専門で作ってますから、アルコールにどっぷりつけても効果ありますから、差別化はできています。 SincolブランドのFurnishingLeatherは全部、準耐アルコール仕様(一般使用では問題ない!)になりました。 他所で、こんなハードな試験するのかなー。 スプレーを押し続けるマメができますよ。
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